以下の症状でお困りの方はご相談下さい
- 胸が焼けるように熱く違和感を感じる(痛い)
- 胸がムカムカする
- 食べ物を飲み込むと痛い、つかえ感を感じる
- 長い間、空咳が続く
- 喘息のようなゼーゼーとした呼吸
- 口の中が苦く感じる
- 胃酸が込み上げてくる
- 朝の寝起きに口の中が苦い感じがする
- 前屈などの腹圧上昇時に胸焼けがおこる
- 食後に胃がもたれるようになった
上記の項目の中でいくつか当てはまる方は、逆流性食道炎の疑いがあります。逆流性食道炎は治療せずに再発を繰り返しているとと食道がんの発症リスクを高めてしまいます。
少しでも違和感を感じられた際はお早めにご相談下さい。
逆流性食道炎とは
胃の中にある胃酸(胃液)が食道に逆流し、食道粘膜を傷害する事で胸焼けや食道炎を引き起こす病気です。胃の粘膜は粘液で守られていますが、食道粘膜に胃酸から守ってくれる粘液の防御機能が弱いので、胃酸が逆流してしまう事で食道粘膜は傷ついてしまいます。
逆流性食道炎による症状は慢性的に続きますので、治療しないと生活の質(QOL)は低下していきます。また、重症型の逆流性食道炎の数%の方が出血、穿孔、瘢痕狭窄、Barrett上皮の形成などの合併症が起こることが分かっています。特にBarrett上皮は年間0.5%程度の発癌率が考えられており、今後Barrett食道がんの増加が予想されています。
発症の原因
食生活の欧米化など、様々な要因が逆流性食道炎の発症に関与しており、逆流性食道炎を発症する方は年々増加傾向にあります。
主な要因としては下記の3つがあげられます。
食の欧米化
近年では食生活様式も大きく変わり、お肉をよく食べるようになったかと思います。お肉に含まれる動物性脂肪をはじめ、胃酸分泌を促す食べ物や消化に時間がかかってしまう食べ物の過剰摂取が原因で発症すると言われております。
加齢
食道と胃の境界部分には下部食道括約筋と呼ばれる胃酸の逆流を防ぐ筋肉があります。この下部食道括約筋が加齢によって緩む事で胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
腹圧上昇
- お腹を締め付けるきつい衣類
- 猫背など前かがみの姿勢
- 肥満
上記のような姿勢、体型や衣類は腹圧を上昇させやすくなり、逆流性食道炎のリスクを高めてしまいます。
良くみられる症状
逆流性食道炎の典型的な症状は「胸焼け」です。食道粘膜には胃酸に対する耐性が弱く、胃酸が逆流する事で食道粘膜に炎症が起こります。その際、胸が焼けるように熱く、強い痛みを感じますが、その症状を胸焼け(胸やけ)と言います。
胸焼け以外の症状では、胃炎、食道炎、吐き気、胃もたれ、長期間続く咳、喉の違和感(飲み込みにくい)などの症状があります。
検査について
どれくらいの頻度で胸焼けが起きているのか、食道がんなどの他の病気の可能性はあるのかを問診や内視鏡検査(胃カメラ検査)で見極め、治療薬を処方します。
逆流性食道炎は胃カメラ検査を
胃カメラ検査とは小型カメラが付いたスコープを挿入して、食道、胃や十二指腸を観察する検査です。
逆流性食道炎でみられる症状に胸焼け、吐き気や喉の違和感などがあげられますが、これの症状は食道がんや咽頭がんなどでも同様にみられる事があります。ただの胸焼け、ただの胃もたれと思っていても実は胃がん・食道がんである可能性もあるので、先ずは問診を実施して必要に応じて当院では胃カメラ検査を行います。
当院の胃カメラ検査は検査を受ける皆様が快適に受けて頂く為の様々な取り組みを実施しています。もしよろしければ是非当院の胃カメラ検査ページもご参照下さい。
治療方法について
逆流性食道炎の治療は主にお薬による薬物療法と生活集患指導です。薬物療法では胃酸分泌を抑えるお薬(プロトンポンプ阻害薬など)を軸に処方し、必要に応じてその他の種類のお薬も併用していきます。
日頃の注意点
食習慣の改善
以下の食べ物は胃酸の分泌を増やしてしまいますのでお控えて下さい。
- 高脂肪食(お肉など脂肪分を多く含む食べ物)
- 香辛料を多く含む食べ物
- 甘いもの(ケーキなど)
- 酸味が強いもの
- アルコール類
- カフェイン
禁煙
タバコは逆流性食道炎の発症だけでなく、食道がんや胃がんの発症リスクも上昇させます。喫煙はお控え下さい。
お腹に負担をかけない
腹部を締め付ける衣類や下着の着用、ベルトをきつく締める事はお控え下さい。また、猫背や前かがみの姿勢、重い物を持ちあがる動作時もお腹が圧迫されて胃酸が逆流しやすくなりますのでご注意下さい。
就寝時の姿勢
食後すぐには横にならないようにして下さい。上半身を高くして寝たり、右向きになって寝る事で胃酸の逆流を防ぐ事ができます。胸焼けなどの逆流性食道炎の症状は朝方に起きやすいので就寝時の姿勢も大切です。
お問い合わせ
逆流性食道炎は軽視される事の多い病気ですが、治療せずに放置していると慢性化して生活の質(QOL)低下に繋がります。胸焼けが、胃もたれ、食道炎、喉のつかえ感’(飲み込みにくい)などの症状を感じられた際はお早めにご相談下さい。先ずは症状の診察を実施して、必要に応じて胃カメラ検査で食道や胃の検査を実施します。