下痢

注意が必要な下痢症状

  • 便に血が混ざっている
  • 体重の減少が見られる
  • 息切れや貧血の症状がでる
  • 下痢が3週間以上続いている
  • 吐き気、嘔吐が伴う
  • 食事して30分から1時間後に激しい腹痛が起こる

注意が必要な下痢症状上記のような下痢症状には、重大な病気が原因となっているものもあります。下痢は私たちに身近な症状であるため、軽くとらえてしまうことが多いでしょうが、気になる点がある場合はお早めにご相談ください。

下痢の種類と原因

下痢とは固形状に保てない便を排泄する症状です。下痢便には性状により、水様便・泥状便・軟便などがあります。

大腸性下痢

大腸粘膜の水分吸収が障害される場合

小腸性下痢

小腸粘膜で小腸液が過剰に分泌される場合

の2つに分けられますが、必ずしも区別ができないことも多いです。
また、罹患時期により以下の2つに分けられます。

急性下痢症(2週間以内)

感染性下痢がもっとも多い。細菌(赤痢、コレラなど)、ウイルス(ノロウイルスなど)、原虫(クリプトスポリジウムなど)などが挙げられます。

慢性下痢症(1ヶ月以上継続)

過敏性腸症候群(IBS)、心身症などの神経性下痢が最も多いです。大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、Crohn病など)、甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性膵炎などの慢性疾患によるものなどが挙げられます。

原因には、大腸で何らかの原因で水分が吸収できないか、もしくは小腸・大腸から水分が大量に分泌されるケースが考えられます。

消化吸収不良、大量飲酒、過食、脂肪、刺激物の摂取、食中毒、感染性腸炎、ストレスなどが挙げられます。

下痢を伴う主な疾患

過敏性腸症候群(IBS)

人口の1割以上の人がかかっていると言われる身近な疾患です。
慢性的な下痢や腹痛を引き起こします。検査しても異常が見られないことが特徴です。通勤や通学で電車に乗ったときや、重要な用事の前など、精神的負荷が掛かった際に症状が現れます。刺激物や消化の悪いものを取った際にも、下痢を引き起こすことがあります。
排便後は腹痛が改善したり、夜間便意や腹痛によって目が覚めることがない、休日よりも平日の方が症状が悪化する、というケースが多いです。過敏性腸症候群の検査では、腫瘍など症状の原因となりうる異常がないということを大腸内視鏡検査で確認します。
精神的な要因が大きい疾患であるため、精神治療により、徐々に症状をコントロールできるようになってきます。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に慢性的な炎症が起きることで、粘膜のただれや潰瘍が発生します。頻繁に起こる腹痛や下痢、血便などが症状として現れます。原因は明らかにされておらず、長期間にわたる治療が必要です。診断には大腸内視鏡検査を用います。

大腸ポリープ

腸内にできるイボのように突き出た腫瘍のことを大腸ポリープと言います。大きなポリープは粘液を多く作り出すため、下痢に原因になり得ます。下痢以外にも便秘や血便という症状も見られることがあります。
大腸がんに進行することもありますが、早期のうちに完全に切除することで、大腸がんを予防することができます。

大腸がん

がんができると、腸内が細くなります。それにより、便秘がちになる場合が多いですが、粘液を多く産生するタイプの大腸がんでは反対に下痢になる場合もあります。
大腸の粘膜にがんが発生すると、次第に腸内の壁深くに侵入し拡大、もしくは、リンパ液や血液の流れに乗って他の臓器に転移することがあります。
大腸がんは内視鏡検査を受けることで、早期発見することができます。

下痢の治療

下痢の治療下痢の治療方法は、下痢を引き起こしている原因によって様々です。そのため、診察や内視鏡検査を通して、正確な治療を受ける必要があります。
脱水症状が見られる場合には、十分な水分補給を行います。しかし、市販のスポーツドリンクやジュース類の甘味料が下痢を悪化させることもあるため注意が必要です。
症状が重いケースでは、外来での点滴療法や薬物療法を行い症状を緩和させます。
重症の下痢などでは、脱水症状から電解質代謝異常が起こります。代謝性アシドーシスになり易く、循環不全・腎不全・多臓器不全・ショックなどの重篤な状態になる可能性があります。
日常生活では、おかゆなどの消化にいいものを摂取し、体を冷やさないように気を付けましょう。

下痢でお悩みの方は、当院の下痢外来へ

当院では、下痢症状でお困りの方の、検査や治療を行っております。診察や内視鏡検査を通して、患者様一人一人に合った治療法を提案致します。下痢は身近なものですが、裏には大きな病気が隠れている可能性があります。放置するのではなく、気になることや不安な面がある方は、まずは一度当院へご相談ください。

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