こんな便秘でお困りの方は要注意!
- 排便の間隔が不規則である
- 強くいきんでも便がでない
- 市販薬を服用しても便がでない
- 便が硬くて量が少ない
- 残便感がある
これらの便秘症状は、大きな病気が隠れている可能性があります。便秘はとても身近な症状ですが、安易に放置しないよう気を付けてください。
便秘は根治の可能性がある病気ですので、便秘でお悩みの方はぜひ医療機関にご相談ください。
便秘とは
日本消化器病学会の関連研究会は、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定めています。つまり、排便回数の減少という頻度だけでなく、残便感がある、便の量が少ないなどの排便の満足度が不十分な場合も、便秘状態に当てはまります。
便秘の原因
便秘の主な原因は以下の4つです。
生活習慣
運動不足や、水分不足・食物繊維不足など
服用薬の影響
抗うつ剤、カルシウム拮抗薬、抗コリン剤、抗ヒスタミン薬の一部など
便の排出を遅くする薬の服用の影響
ストレス
環境の変化で起こる精神的な負荷
腸の疾患
大腸がん、過敏性腸症候群など
一つ一つの影響は小さくとも、多くの場合はこれらの要因が複雑に絡み合っています。また、便秘による強い“いきみ”などが発端となり、痔などの他の疾患に結びつくこともあります。「ただの便秘」と甘く見ず、消化器内科医による診察を受け、原因の特定や治療をお勧め致します。
便秘の種類
器質性便秘(通過障害)
大腸がん、腸管や隣接臓器の炎症、などが原因で、腸管が狭くなったり運動障害を起こしたりする病気です。
機能性便秘
神経疾患や内分泌疾患などの全身性の疾患や、代謝疾患・薬物中毒などに伴う症候性便秘と慢性の常習性便秘があります。慢性の便秘には、自律神経異常が関与する過敏性腸症候群の症状としてみられるけいれん性便秘も含まれます。
便秘と内視鏡検査について
今まで排便に異常がなかったが、直近1年で便秘気味になった場合は要注意です。その場合は大腸がんなどの大きな疾患が隠れている可能性があり、内視鏡検査が必要です。
特に便秘症状をお持ちの方の中で、便に血が混じる、体重が減る、ご兄弟ご両親に大腸がんの方がいる、たばこを吸う、糖尿病があるなど、大腸がんの危険因子のある方内視鏡検査をお勧めします。内視鏡検査では便秘の原因を探り、疾患の早期発見を期待できます。
便秘の治療
生活習慣改善
普段の生活習慣を見直すことで、徐々に腸の働きを正常なものにしていきます。消化のいいものを積極的に摂取する、食物繊維を摂取する、また適度な運動を心掛けることで、腸内環境を整えていきます。便意を我慢する習慣がついてしまっている方は、定期的にトイレに行くことを意識しましょう。規則正しい排便習慣が大切です。
薬物療法
薬を用いることで、排便をコントロールします。下剤にも様々な種類があり、便秘の重度や原因に適した下剤を服用する必要があります。当院では診察を通して、患者様に合った治療方法を提案致します。
便秘でお悩みの方は、ぜひ当院の便秘外来へ
便秘は私たちにとって大変身近な疾患です。
しかし身近なものだからといって、重大な疾患が原因で起こっている便秘もあるため、放置していいものではありません。また、治らないものとして諦めてはいけません。便秘は根治が期待できます。正しい付き合い方がわかれば、便秘の症状はコントロールできるのです。
便秘でお困りの方は、ぜひ一度、当院の便秘外来へお越しください。